お通夜とは:初めてでも安心!マナーや流れ、服装・香典・お悔やみの言葉まで完全ガイド
「香典はいくら包めばいい?」「失礼な行動をとってしまわないだろうか」「お悔やみの言葉は何て言おう……」このような不安を抱えている方はいませんか?
特に初めてお通夜に参列する方は、他にもいろいろと疑問があることと思います。
そんな方も安心して参列できるよう、お通夜の流れやマナー、注意点も分かりやすくお伝えします。
1.お通夜とは
本来のお通夜
古くからお通夜には、「夜伽(よとぎ)」、「お伽(とぎ)」、「添い寝」といった別名があり、ご遺族や親しい方々が、葬儀の前夜に故人のそばで夜を明かす儀式です。
これは、邪悪なものが故人に近付かぬよう守りながら安らかな旅立ちを祈るとともに、生前の思い出を語り合いゆっくりお別れをする時間です。
最近のお通夜
現代では、葬儀に参列できない方々のためのお別れの時間とする傾向にあります。
そのため、夏は19時頃から、冬は18時頃から始まり、1~2時間程で執り行う「半通夜」が一般的です。
2.お通夜の流れ
お通夜は故人との最後のお別れを告げる大切な場です。
滞りなく、そして失礼のないように参列するために、当日の流れを把握しておきましょう。
では、一般的なお通夜の流れはどういうもので、どのようなことに注意したらよいのでしょうか。
- 1.受付開始
殆どのお通夜において、受付は開始時刻30分前に始まる。遅刻は厳禁。
受付で芳名帳に名前と住所を記入し、香典を渡す。(香典の詳しいことは「3.お通夜の基本マナー」で解説しています。)
- 2.僧侶到着
曽呂は開始時刻まで控え室で過ごす。
- 3.一同着席
着席の合図で喪主や親族、続いて参列者が席に付く。一般的には故人に最も近い席が喪主や親族。
- 4.僧侶入堂
合掌または黙礼で僧侶を迎える。
- 5.僧侶読経
宗派によって異なるが、30分~40分程度。
参列者は静かに読経を聴き、故人を偲ぶ。
- 6.遺族焼香
喪主から順に焼香。
- 7.参列者焼香
席順に従って移動し、抹香を少量つまんで香炉にくべる。(作法は宗派によって異なる。)
- 8.僧侶退堂
合掌または黙礼で曽呂を見送る。
- 9.通夜終了
喪主が参列者へ挨拶し、通夜ぶるまいへ案内。通夜ぶるまいは故人を偲びながら食事をする場。
【注意点】
- 遅刻しないよう、時間に余裕を持って到着しましょう。
- 服装は地味な平服、アクセサリーや化粧は控えめにしましょう。
- お悔やみの言葉は遺族に直接伝えるか、受付で預かってもらいましょう。
- 焼香の作法は事前に確認しましょう。
関連記事:「お焼香|焼香の作法とマナーの全てがわかる!宗派別の違いや注意点も解説」
- 通夜ぶるまいは故人を偲ぶことが目的です。節度を守って楽しみましょう。
詳しくは次の章をご参照ください。
3.お通夜の基本マナー
失礼な振る舞いがあってはなりません。服装や持ち物、香典、お悔やみの言葉など、基本的なマナーを今ここで学んでおきましょう。
服装
- 基本は地味な平服
男性は黒や濃紺のスーツ、白いシャツ、黒のネクタイ。
女性は黒・紺・グレーなどの落ち着いた色のワンピースやスーツ、或いはアンサンブルなど。
派手な色や柄、露出の多い服装は避ける。
殺生を連想させる革製品や毛皮は避けるのが望ましい。
- アクセサリーや化粧
光るものや派手なアクセサリーは避け、結婚指輪や真珠などシンプルなものを着用。
化粧はナチュラルメイク。
派手なネイルや香水は控える。
持ち物
- 数珠
数珠は合掌や焼香で使用。
仏式は宗派を問わず数珠を持参するのが一般的。
- ハンカチ
涙を拭いたり手を清める際に使用。
黒や白など、落ち着いた色にする。
- 袱紗(ふくさ)
袱紗で香典を包む。
紫・緑・グレーなど、落ち着いた色にする。
香典
お悔やみの言葉
- 遺族への言葉
心から気持ちを伝える。
例:「この度はご愁傷様です」「突然のことで ご心中お察しいたします」「安らかにお眠りください」
適切な言葉が異なる宗教や宗派があるので、事前に確認しておくと安心。
関連記事:「お悔やみの言葉の基本とマナー|状況に応じた正しい言葉遣いを解説」
- 故人への言葉
故人との思い出や感謝の気持ちを伝える。
4.宗教別のお通夜
日本では仏式のお通夜が一般的ですが、神式やキリスト教式で執り行う方もいます。
いざという時のために、基礎知識をつけておきましょう。
神式のお通夜:通夜祭
仏式のお通夜に当たる儀式を「通夜祭」と呼びます。
儀式や拝礼の前に手を清める「手水の儀」という儀式があります。
神職による儀式が行われ、仏式の焼香に当たる「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」を行います。
玉串奉奠の順番や席次は仏式とほぼ同じです。
遷霊祭(せんれいさい)
通夜祭の中で行われる儀式。故人の魂を遺体から霊璽(れいじ、仏式の位牌に当たるもの)に移します。
暗闇の中で厳粛な雰囲気で行われます。
通夜祭の後、仏式の通夜ぶるまいに当たる「直会(なおらい)の儀」が行われます。
キリスト教の通夜:通夜の集い・前夜祭
カトリックでは「通夜の集い」、プロテスタントでは「前夜祭」と呼ばれます。
- カトリック:聖歌合唱、聖書朗読、神父による説教が行われます。
- プロテスタント:賛美歌合唱、聖書朗読、牧師による説教が行われます。
仏式の焼香に当たる献花を行います。
終了後に軽食や茶菓が用意されるのが一般的です。
5.まとめ
初めて参列する方も安心して訪れられるよう、お通夜に関する以下のことを解説しました。
- 現在のお通夜は葬儀に参列できない方のための時間の傾向
- お通夜の流れ・服装・香典などの基礎知識
- 宗教別の基礎知識紹介
お通夜は故人と最後のお別れをする時間です。
この大切な時間に失礼がないよう、この記事を参考にしていただければと思います。そして心を込めて故人を偲んでいただきたいです。