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第22回 「イマジン」に思う

「イマジン」と言えば、ビートルズのメンバーであったジョン・レノンの代表曲です。今年はビートルズのデビュー五〇周年にあたるそうですが、考えてみればすでに七〇年代初頭で解散していますし、またレノン本人についても狂信的ファンの凶弾による衝撃的な暗殺事件から早や三〇年以上の月日が流れました。それでもなおビートルズとレノンのとちらも広く語り継がれているというのは、やはり一時代を築いた才能の故なのでしょう。
ところで最近、彼らをうみだした英国から興味深いニュースが舞い込みました。冒頭の「イマジン」を葬儀で流すことが禁止されたというのです。「まさか公権力が葬儀の音楽にまで口出しを?」と思って英国の関係者に真偽を問うたところ、どうも「禁止」というニュアンスとは異なることがわかりました。
教会の聖職者達のなかには「イマジン」の歌詞に不快感を示す者もいるらしく、それを感じ取った葬祭業者の側が自主規制を掛けている、というのが実情のようです。なるほど、歌詞は「天国なんて存在しないと想像してみよう」というくだりから始まって、「地獄もないし、宗教もない」といった言葉が散りばめられていますから、伝統的なキリスト教の観念とは相容れないところもあるのかもしれません。教会側と顧客側の間で板ばさみになるディレクターの困惑が目に浮かびます。
とは言え、葬祭業者ならば顧客の望みにできるだけ沿いたいと思う一方で、宗教規範を守りたい(あるいは「守らせ」たい)と聖職者が思うのも自然なこと。このように個人的信条と宗教的教義がせめぎ合うというケースは、恐らく私たちの多くがさまざまな局面で経験するものと察しますが、「イマジン」をめぐる問題はあらためてその難しさを突きつけていると言えるでしょう。私自身はどちらの味方になるのが正解かということではなく、強いて言えば「故人の味方です」という考えから出発する他はないと思うのですが・・・・・・。