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第31回 としよりの日

今月の『葬祭界』の発刊日は九月十五日。そして九月十五日と聞くと、おそらく「敬老の日」を思い出すのではないでしょうか。法律改正によって今では九月の第三月曜日が正式な日付ですが、それでも「九月十五日は敬老の日」という連想が一般的と言えます。
ところで、この「敬老の日」は、もともと「としよりの日」という名称でした。九月十五日に定められた理由は諸説あるものの、実際には兵庫県のとある村で戦後まもなく制定されたものが、後に全国的な広がりを見せるに至ったのだとか。しかし、「としより、という言いかたはちょっと……」と考える人も多かったのでしょう。六〇年代には「老人の日」に、そしてさらに「敬老の日」に改称されました。「としより」や「老人」に揶揄的な意味合いがあるか否かは議論の分かれるところだと思いますが、いずれにしてもこれらの経緯をしっかりと思いだせる方は、まさしく「敬老」の対象に違いありません。
とは言いながらも、どの年齢から老人とするかは微妙な問題です。WHO(世界保健機関)、そして日本の社会保険や統計の多くは六十五歳以上を高齢者と一応定めていますが、これらはあくまで制度上の定義に過ぎません。私も以前、ある方に「業界の長老ですね」と語りかけたら「まだ老人じゃないぞ」と叱られたことがありました。
それはそれで笑い話で済むとして、老いの意識を抱えつつ日々を暮らすということは、やはり切実なもの。しかし、考えてみれば日本ではすでに四人に一人は(制度上の)高齢者なのであり、五十年後には二・五人に一人の割合になると言われています。当然、葬儀で見送られるのも長寿の方ばかりになるでしょうが、それを見送るお手伝いをする私たち葬祭業の人間にも、高齢者ならではの知恵と経験が必要であるはず。というわけで、業界の「おとしより」の方々には、いつまでもご壮健であってほしいと願うばかりです。