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第33回 プライド

先月の下旬、あるホテルチェーンのレストランで、料理のメニューが実際と異なっていたという不祥事が大きく報じられました。冷凍品なのに「鮮魚」と表示したり、一般的な食材を使いながら産地ブランドの名を冠した品を提供していたりと、いずれにしてもホテル全体の信用と品格を著しく低下させた行為であるのは論を待ちません。その後の報道によると、こうした偽装が現場ではほとんど暗黙の了解となっていたとのことですから、専門家や職人としてのプライドは一体どこにいってしまったのかと嘆きたくなります。
さて、この事件を聞き及んだ際、私はふと先日の全葬連〈岩手〉大会のことを思い出しました。というのも、「我々のプライドに賭けてもお客さまへの……」、あるいは「全葬連に加盟する者としてプライドを持った行為を……」といったように、分科会などのさまざまな席上でプライドという言葉が引き合いに出されていたからです。うがった見方をすれば、それは危機感のあらわれとも考えられるでしょう。しかし私自身は、このような矜持を持った姿勢は非常に望ましく、また頼もしいことだと考えています。
柔軟性のない唯我独尊の態度になるのは避けるべきですが、しっかりと自分の仕事にプライドを持つことは、実はサービスを提供する人びと全てにとっての根幹であり、古今東西変わりはありません。顧客の側にしてみても、冒頭に掲げたホテルのように「ばれないと思って適当にやっている」態度が透けてみえる業者と、自らの仕事に信念と誇りを持っていることが伝わる業者とでは、どちらを選ぶかは明白。だからこそ、過去にも増してサービスに込められた精神性が重要となっているこの時代には、専門家としてのプライドを、そして全葬連という信頼ある組織にいることのプライドを、より前面に打ち出しても良いような気がします。何しろ私たちの仕事は一事が万事、信頼で成り立っているのですから。