第42回 夏のお葬式 |【公式】ご葬儀のことは全葬連(全日本葬祭業協同組合連合会)へ

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2017.11.16
(更新:2025.03.31)
コラム

第42回 夏のお葬式

column

  このところ少しばかりカタクルシイ話題が続いてきた感もあるので、今回はとりとめのない昔の話を。ただし昔といっても、まだ十年も経っていないかもしれません、
  ある農村の集落で、一人のおばあさんが息をひきとりました。息子さんから連絡を受けて自宅へと打ち合わせに駆けつけ、さて式場はどこにしましょうかと話を切り出すと、その息子さんは「母は生前から、あそこでやりたいと言っていたんです」と窓の外を指さしました。そこには、ぽつんと小さな集会所が。地域や団地内の集会所で葬儀を行うというケースは、今ではかなり少なくなったかもしれません。しかし私自身は、その小ぢんまりとした雰囲気が実はどことなく好きでした。もちろん、経済的理由で集会所を選ばざるを得ないというお客様も多いのですが……。
  さて、設備の整った専用式場と異なり、自宅や集会所での葬儀は皆さんご存知のとおり色々と臨機応変の対応が必要です。まず、幕を張るために垂木を組まなければいけない。最近は「タルキってなんですか?」という若い方もいますが、それも時代の趨勢でしょう。
  しかも、その集会所にはエアコンもありませんでした。時期は今と同じ、夏の真っ盛り。猛暑のなか、狭い空間で高齢の会葬者がひしめき合うことを考えたら、それこそ集団熱中症の大事件です。「さあ、どうしようか」と同僚達と考えあぐねてしまったのですが、ここでピンと来たベテラン勢も多いのでは。
  そう、氷柱です。氷屋さんで大きな氷柱を買ってきて、部屋の四隅に敷いた金盥の上へと置く。エアコンほどではないものの、いくらかは涼をとることができます。そんなこんなで何とかつつがなく葬儀を終え、汗だくで撤収していたところ、ご遺族が持ってきてくれた麦茶の味がいまだに忘れられません。エアコンのおかげで四季の感覚が薄れてきていますが、やはり夏は暑いもの。そんな当たり前のことを、今更ながらに思い出しています。

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