第43回 作法とルール |【公式】ご葬儀のことは全葬連(全日本葬祭業協同組合連合会)へ

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2017.12.16
(更新:2025.03.31)
コラム

第43回 作法とルール

column

  食事を終えたあと、ご飯茶碗にお茶を注いで飲む。こんな光景を目の前にしたら、いささか行儀が悪いと感じる読者がほとんどではないでしょうか。しかし、少し前までは「それが作法だと親から教わった」という声もしばしば耳にしました。私の印象では、とりわけ戦前うまれの方々に多かった気がします。
  毎日の食事といえば食卓を囲んで一家団欒という光景を思い浮かべがちですが、昔はひとりずつ用意されたお膳で食べるのが基本。食後にご飯茶碗でお茶を飲むというのは、つまり自分の食器をきれいにゆすいで食事を終えるという意味もあったわけです。また現在のように水道が至るところに普及しているわけではありませんから、貴重な水を節約することにもつながりました。食器を水で洗うのは週に一度ぐらいで、あとはお茶でゆすぐか、布巾で拭いてお膳におさめておくだけという家庭も珍しくはなかったと聞きます。
  だからと言って、読者の皆さんにご飯茶碗でお茶を飲むのが正しいか否かと問いかけているわけではありません。正しい・正しくないというのは、あくまで「ルール」の話。それに対して「作法」というのは、生活のなかで理にかなっているかどうかという観点が土台にありますから、スポーツや法律のように「基準を厳密に定めて、そこから外れるものは罰する」という考えかたとは少し違います。
  このような話を持ち出したのは、今日の葬儀をめぐる議論が、「作法」ではなく「ルール」に偏りがちであることをいささか危惧しているからです。それぞれの死のありかたに寄り添って、それぞれの地域の生活と文化に配慮した「理にかなう」葬儀こそ私たちが目指すもののはずですが、「こういう葬儀はイエローカード」といった高圧的な論調がしばしばメディアのなかに見つけられるのも事実。ここはひとつ、食後にゆっくりとご飯茶碗でお茶を飲みながら、わが身を振り返ってみるのはいかがでしょう。

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