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2019.07.16
(更新:2025.03.31)
コラム

第50回 葬儀でラーメンを

column

  季節はようやく春となり、桜が各地で人びとの目を楽しませるようになりました。この時期、私はいつも思い出す言葉があります。
  あの、ラーメンが食べたいんですが――。どこかで誰かと一杯ひっかけて、酔いざましも兼ねてちょっとラーメンで腹ごなしでもしようというのであれば、何の変哲もない言葉でしょう。しかし葬儀の打ち合わせで、喪主さんから出た言葉となれば話はまた別。よくよく尋ねてみれば、亡くなった喪主さんの父親はラーメンが大好きで、通夜の席で会葬者にラーメンをふるまって故人を偲びたいのだとか。最近は中華の仕出しも珍しくはなくなりましたが、それでも普通の仕出し業者では手に余るリクエストには違いありません。
  それより何より、会葬者の人数は少なく見積もっても五十人前後。なかにはラーメンがさほど好きではない方や、丸ごと一杯を食べきれない高齢者や小さな子どももいるでしょうが、それでも数十杯のラーメンを一度に出すというのはなかなか至難の業です。
  喪主さんは温厚な人柄でしたから、お断りすることもできました。でも、何という幸運か!式場のすぐ近くに、ラーメン店ではないものの中華料理店があったのです。その店主から「一度には出せないけど、五杯ずつぐらいに分けて運んでもいいかな」と色よい返事を受け取った時は、もう小躍りして喜びました。ただし通夜ぶるまいでは寿司をいくつかつまんでビールを数杯といった程度が普通の光景ではありますから、結局は式場の厨房を借りて、そこで中華料理店の店員さんが小さめの丼にラーメンを作り続けるということに。
  お通夜で会葬者が一斉にラーメンを食べるというのは、いささか壮観ではありました。式場の外に咲く夜桜を窓の外に見ながら、ズルズルと麺をすすりこむ音とともに、今でも私の記憶のなかに残っています。後にも先にもあのような光景は見たことがないのですが、皆さんはどうですか?

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