第53回 がんばれタソスさん |【公式】ご葬儀のことは全葬連(全日本葬祭業協同組合連合会)へ

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2018.10.16
(更新:2025.03.31)
コラム

第53回 がんばれタソスさん

column

  「EU側がギリシャによる金融支援の延長要請を拒否した二十七日、アテネ市民は先行きへの不安を隠せない様子だった。(中略)一方、葬儀業のタソスさん(七十歳)は『国民投票以外に選択肢はなかった』とチプラス氏の決断に理解を示した」【六月二十八日付 日本経済新聞国際面より引用・一部改変】
  ギリシャが今、大変です。財政悪化による国家破産の危機に加えて、現首相のチプラス氏がEUの求める緊縮策を受け容れるか否かで国民投票を行うと発表したことが国内外で大混乱を招いています。とは言え、今回は国際金融の話題ではありません。
冒頭の記事で私の目を引いたのは、「葬儀業のタソスさん」。もちろんギリシャに葬儀業があるのは何の不思議もないのですが、さまざまな想像が脳裏に思い浮かびます。七十歳のタソスさんは、これまでどのような人びとの生死と向き合い、どのような葬儀を手伝ってきたのだろうか。ギリシャ正教が圧倒的な多数派を占めると言われる当地では、どのように亡き人を偲ぶのだろうか。そして景気が極限まで落ち込む中、ギリシャの葬儀屋さんはどのような苦労を抱えているのだろうか。
  ほとんど想像というよりは「妄想」に近いものですが、バブル経済の終焉から長きにわたる不況を経験してきた私たちにとっても、彼らの苦境はどことなく他人事には感じられない出来事です。また、バブル後の不況はたしかに業界内の熾烈な淘汰をもたらしましたが、一方では葬儀業の社会的な役割をあらためて見直し、顧客と向き合うための真摯な方向性を再発見する機会になったと肯定的に考えることもできるでしょう。
  国家経済がどのような状況になろうとも、「最期のときを手伝い、支える」という私たちの存在意義が失われることはないはず。そんな気概を胸に、エールを送りたいと思います――がんばれタソスさん。そして、がんばれ日本の葬儀屋さん。

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