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第58回 風邪にご用心

いよいよ季節は師走となり、マスク姿を見かけることが増えてきました。最近では風邪でなくともマスクをする人が多いようで、たしかに季節を問わず目にする気がします。喉の保湿効果といった理由もありそうですが、若い人に聞いたところではマスクを一年中愛用している芸能人の影響もあるのだとか。
さて、葬儀でのマスク着用の是非を考えると話は少々ややこしくなります。おそらく一般的なマナーとしては、各種の式典で脱帽するのと同じ感覚で、マスクを取って参列することが礼儀にかなっているでしょう。たとえばマスク姿で焼香するというのも失礼かつ奇異な光景に見えます。しかし葬儀の間ずっと咳やくしゃみが止まらない会葬者などを見かけた場合、マスクをして周囲に配慮したほうがよいのでは……と考える方もいるのでは。
ちなみに市販のほとんどのマスクは、実をいうと風邪を防ぐ効果はさほど無いのだとか。よく風邪は細菌によってうつると誤解されていますが、細菌よりもはるかに小さいウィルスによって伝染するものなので、通常のマスクでは布地の網目を簡単にすり抜けてしまうのだそうです。そう考えるとマスクを着用するというのは、むしろ咳やくしゃみによって風邪のウィルスを他人にまき散らさないための配慮だと言えるでしょう。
いずれにせよ風邪を引いたら外に出ないことが一番なのでしょうが、体調不良を押してでも葬儀に参列して故人を弔いたいという思いも尊重したいところ。式場の広さが十分にあるならば一人だけ離れたところで着席して頂くことも可能かもしれませんが、場合によってはトラブルになりかねません。こればかりは時と場合による、と言えるでしょうか。
ただし会葬者をお迎えする私たち葬祭業者の側は、故人への礼儀という点でもやはりマスクの着用は時と場合によらず慎むべき。そのような悩みを抱えなくてもいいように、普段から体調管理を万全にしたいものですね。