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第63回 打ちひしがれた人々のために

この稿を書いている時点では未だ熊本県を中心とする地震が断続的に発生しており、いわゆる震災関連死と推測されるケースも含めて被害者の数も刻々と増加しています。まずは今回の熊本地震で亡くなられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、現地で困難な状況にある方々が一刻も早く安全で健やかな日々を取り戻すことができるようにお祈り申し上げます。
この世を去られた人々と、そのご遺族をはじめとする周囲の人々と毎日の仕事のなかで接する葬祭業とは言いながら、やはり今回の地震のような甚大な被害を目の当たりにした時には、「はたして私たちには何ができるだろうか」と自問自答する方もきっと多いことでしょう。本稿を執筆させて頂いている私自身も、同じ気持ちを抱いています。
全葬連も、そして各地の単組も、おそらくはそのような思いを胸に自治体との災害協定を結ぶなどして災害への対応に取り組んできました。すみやかに、そして安らかに故人を弔うだけでなく、打ちひしがれた遺族の方々にとって葬儀という機会がどれだけ重要であり、大きな支えになるかということを知っているからです。
だからこそ、今の時点で「何もできない」という自責の念に駆られている読者もきっと多いはず。ただ、現地に飛んで活動することだけが支援ではないのも事実です。募金活動や支援物資の提供などのように、自らが暮らし、仕事をしている場に留まってはいるけれども現地を支えられる活動は少なくありません。そしてまた、そのような活動に携わりながら毎日の業務に励むことも、私たち葬祭業の仕事が持つ意味を考えれば立派な支援だと私には思えるのです。死の現実を前にして打ちひしがれた人々のために、何ができるのか――その問いの重さを考えれば、葬祭業の仕事はいつでも、そしてどこでも人びとの支えになるのですから。