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第66回 職業病

ピアニストの指先が、演奏中に硬直して動かなくなってしまう。ゴルフ選手の腕が、ここぞという一打の時に痙攣してしまう。このように、自らの仕事で繰り返し酷使する肉体の一部分だけが意のままに動かなくなる「局所性ジストニア」という病気があります。日常生活では痛みも含めて何も起きないことも多いそうで、仕事の時だけ動かなくなるとはむしろ残酷な話。いずれにしても音楽家やスポーツ選手にとっては職業病のひとつと言えなくもありません。さて、それでは私たち葬祭業の職業病を考えてみると、それはどのようなものになるでしょうか。
まず、誰もが思い浮かぶのが「腰痛」。実際に私の周囲では、真剣な悩みを抱えている方が少なくありません。現場にいる間はほとんど立ったままで、重い祭壇や葬具などを運ぶ肉体労働もそれなりに。そうかと思えば移動時には長時間にわたって車中で同じ姿勢を強いられ、現場から戻ればひたすら書類と格闘するデスクワークが待ち受けている。こう書いているだけで何やら腰が痛くなりそうです。あとは、どうしても勤務上のローテーションが不規則になってしまうことで、食生活や睡眠時間の乱れが生活習慣病に結びついてしまう可能性もあるでしょう。
ただし、私たち葬祭業が真っ先に、そして常に細心の注意を払わねばならない職業病が他にあります。遺体からの感染症です。職業病と言っていいかどうかは別として、その危険性はいつでも認識していなくてはなりません。現場で仕事に携わる方は、よもやその脅威を軽視していることはないとは思うものの、忙しさの中でついつい手袋の着用や手洗い、適切な消毒を忘れてしまっていることはありませんか。ただでさえ、暑さで意識も朦朧とするような季節。ちょっとした気のゆるみで取り返しのつかないことになる前に、もう一度初心に戻って、衛生的で清潔な仕事の環境を整えておくことが肝要です。